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可搬式歯科用ユニットの基本構成について

2025年7月18日 by Posted in: 歯科機器

可搬式歯科用ユニットとは?
可搬式歯科用ユニットとは、通常の歯科診療ユニット(チェアユニット)を小型・軽量化・分離構造にし、院外でも歯科診療が行えるようにした移動式診療装置です。
訪問歯科診療、在宅ケア、離島・僻地医療、災害現場、介護施設などで、持ち運び・設置・撤去が簡単にできることを目的としています。

可搬式歯科用ユニットの基本構成
可搬式ユニットは、診療に必要な最低限の機能をコンパクトに集約しています。以下が主な構成要素です:

1. コンプレッサー(エア供給ユニット)
モーターで空気を圧縮し、タービンやスリーウェイシリンジなどに必要なエアを供給

小型・静音設計のオイルレスコンプレッサーが一般的

一体型または別ユニットとして分離していることもあり

圧力設定・ドレン排水・エアフィルターなどが内蔵されている場合もあります。

 

2. バキュームポンプ(吸引装置)
唾液や切削片などを吸引するバキュームホース/サクション装置

コンプレッサーと一体の乾式バキュームか、小型の電動吸引機が多い

自動排水タンクや逆流防止弁を備えている機種もあります

3. タービンおよびマイクロモーター接続ポート
エアタービンや電動モーター(エンジン)を接続するためのチューブを装備

スピード調整・水エア切替スイッチがついている

ISOカプラー(クイックジョイント)対応で市販機器が使用可能

4. スリーウェイシリンジ(3wayシリンジ)
水・エア・スプレーが使える基本ツール

脱着式チップで衛生管理にも配慮

 

 

5. 排水・給水タンク
外部水源が使えない現場に対応するための独立型給水ボトル(1〜2L)

使用済みの水・唾液を貯める排水タンク(約2〜5L)が装備されている

6. 電源装置・操作パネル
コンセント(AC100V)に接続して使用。インバーターや保護回路内蔵

操作部には電源スイッチ、圧力ゲージ、流量・回転数調整ツマミが搭載

一部機種はバッテリー内蔵(DC駆動)で電源が取れない環境にも対応

7. 収納ケース/キャスター/持ち運び構造
各機器がキャリーバッグ型ケースやアルミトランクに収納され、分解・組立が容易

本体重量は20~30kg前後が一般的で、キャスター付きで移動もスムーズ

補助機能(モデルによって異なる)
LEDオペライトまたは口腔内照明付き

超音波スケーラー接続端子

スツールや可搬チェア(別売オプション)

除菌フィルター、防音ケース付きモデル

まとめ
可搬式歯科用ユニットは、コンパクトでありながら診療に最低限必要な「圧縮空気」「吸引」「水・電源」機能を一体化しており、院外でも効率的な診療が行える優れた装置です。